歯周治療
歯周病について
歯周病予防には、早期発見・早期治療が重要です!
歯周病は、細菌による感染症です。
歯と歯茎(歯肉)の隙間についた歯垢(プラーク)に中にいる細菌によって発症します。
歯肉に炎症を起こし、進行すると歯を支える骨を溶かしていきます。
統計によると、35歳で80%の人が歯周病にかかっています。
歯周病は進行するまで痛みがないため、放置しているといつの間にか歯を抜かなくてはならない状態になっていることもあります。定期検診を受けて、早期に発見し治療を行いましょう。
歯周病の進行
1. 健康な状態
歯茎が引き締まった健康な歯周組織
2. 歯肉炎
プラークや歯石がたまり、歯茎が腫れる
3. 歯周炎(軽度)
歯周ポケットが深くなり、歯茎の下にも歯石がつく
4. 歯周炎(中度)
歯茎の腫れが進み、骨も痩せ始める
5. 歯周炎(重度)
歯茎も骨も痩せ、歯を支える力がなくなってくる
歯周病の症状と治療
このような症状がある場合は要注意です
■ 歯茎から出血する
■ 歯茎が腫れている
■ 口臭がある
■ 歯が浮いた感じがする
■ 歯が揺れている
歯周病が進行してしまうと、失ってしまった歯肉や骨を元の状態に戻すのは、大変困難です。
原因である細菌を取り除くこと、再度感染しないような口腔環境を作ることを目指して、治療を行います。
治療の流れ
A. 口腔内診査
歯周病の治療は、見えている歯石のお掃除から始めて、歯周ポケット内の深い部分のお掃除に移っていきます。
段階を踏んで治療を行うことで、侵襲が少なく治療の効果も出やすくなります。
1つの治療が終わるたびに口腔内の診査を行います。治療の効果を確認し、次の治療の有無を決定します。
B. 歯周内科
歯周内科とは、飲み薬と専用の歯磨き粉の使用により、歯周病の原因となる細菌やカビを取り除く治療法です。
歯周病の原因菌を取り除くことで、症状は緩和され、進行しにくくなります。
【除去方法】
1. お口の中のプラークを取り、位相差顕微鏡で観察します。細菌・カビの種類・量を確認し薬を選択します。
2. 抗菌剤の服用、カビの除去薬での歯磨きをしていただきます。
3. 次の治療の日に、再度、プラークを観察し、薬の効果を確認します。
※薬で歯周病の原因菌を取り除いただけでは、すぐに再発してしまいますので、細菌の住み家となる歯石を除去する治療を行う必要があります。
位相差顕微鏡
C. ブラッシング指導、歯肉より上の歯石除去・クリーニング
■ ブラッシング指導
歯周病の治療で最も重要なことは、ご自身での歯磨きです。
汚れが残っていると、汚れを好む歯周病菌がどんどん増えます。当院では、磨き残しのある箇所をお伝えし、使いやすい器具やブラッシング方法をお教えします。
■ 歯肉より上の歯石除去・クリーニング
歯肉より上に付着している(目で見える)歯石を、超音波スケーラーという機械を使って、水を流しながら、超音波の振動で壊していきます。歯の表面がザラザラしていると、再度歯石が付着しやすいので、機械のブラシやカップで磨き、歯の表面をつるつるにします。
D. 歯肉より下の歯石除去
歯肉の下に隠れている歯石を麻酔をかけて取り除いていきます。手用スケーラーや超音波スケーラーを用いて行います。
E. 歯周外科
これまでの治療で歯石が取りきれない部位に関しては、歯周外科処置をお勧めします。
歯肉をはがした状態で処置を行うので、確実に歯石を除去し歯周ポケットをなくすことができます。
外科処置というと、怖い感じがするかもそれませんが、部分麻酔で行い、1時間程度で終了します。すっきりしない歯がある場合は、ご相談ください。
【再生療法】
外科処置には、歯石を除去し歯周ポケットをなくすことを目的としたものの他に、失った骨を再生させるためのものがあります。歯肉をはがし、歯石をきれいに除去した状態で、特殊な薬を塗り骨を再生させます。
この処置は、どんな歯にも適応できるわけではないので、しっかりとした診査が必要になります。
F. 定期検診
歯周病は、大変再発しやすい病気です。ご自身のブラッシングだけでは、どうしても落としきれない汚れが残ってしまい、再発の原因になってしまいます。
定期的に専門的なクリーニングを行うことで、きれいな状態を維持することができます。
また歯周病だけではなく、虫歯などの早期発見にもつながりますので、定期検診はぜひ受けていただきたいと思います。